2016年10月11日火曜日

糞詰まり・・・

 平成18年のNKR81のエルフ。走行距離は29万㎞。
DPDランプが頻繁に点灯して、手動再生しても駄目らしい。
とりあえず診断機を使ってDPDの強制燃焼をやってみたが、差圧が再生前が0.9kPaあったのが再生後は0.7kPaになった。
しかしこれでも差圧は高すぎるらしい・・・
しょうがないのでDPDを分解清掃する事にした。
分解してみた。
前側に酸化触媒があり、その後ろにDPD本体のフィルターが付いてる。
見たところ思ったほどカーボンの付着がない。
エアーで吹いてみると、酸化触媒はほとんど詰まりはないが、DPD本体の方は煤が結構出てきて、やっぱり通りが悪くなってるみたいだ。

 最初エアーと流水でやっていたが、埒が明かないのでスチームでやってみた。
DPD自体は結局のところセラミックで出来た吸着フィルターなので、スチームの高圧かけても大丈夫みたいだ。
スチームとエアーの両方を交互にやって行ったら、少しづつ通りがよくなってきた。
何やら金魚の糞状に赤っぽい物体がニョロニョロと出てきた。
こんなのが大量に出てきた。
多分オイルに入ってる添加剤の灰なんじゃなかろうか。
一応オイルはDH-2規格のオイルを使っていたが、ローアッシュとはいえ完全に灰分がない訳じゃないから、距離を走ってると詰まってくるのかもしれない。
パッキンセットってのが設定されてて、これを使えばDPDの脱着と分解組立に必要な部品は全てそろう。
DPD本体のボルトとナットは再使用不可部品になってるが、どうせ錆びてて再使用できないw
差圧パイプの入力側は詰まっていたので交換した。ちまちまカーボンを落とすのも面倒だし・・・
出力側はDPDを出たあとなので、そんなにカーボンが詰まる事もない様だ。

洗浄後に差圧を確認すると0.1kPa程度まで下がった。やっぱり詰まってたんだな。
DPDは構造や原理的にも、ある程度定期的に分解清掃が必要なものの様だ。
めんどくせえけどしょうがねえな・・・

2016年9月26日月曜日

手探りで・・・

1YAZJの平成20年ニュービートル。走行距離は4万㎞ほど。
冠水してる道路を走ったらエンジンチェックランプが点灯しだしたとの事。
診断機で見ると「17887 P1479 ブレーキブーストバキュームシステム機械的異常」と出る。
何だろか?とファイネスでサービスマニュアルを探すが、残念ながら見当たらない。
色々ぐぐってるとどうやらこんなシステムらしい。
http://www.volkspage.net/technik/ssp/ssp/SSP_257.pdf
マスターバックの負圧はインマニ以外にもバキュームポンプが付いていて、これで負圧を発生させているらしい。
何処にバキュームポンプがあるのかと、マスターバックから配管をたどっていったら、エンジンの下の方に付いていた。
本体を外してみた。
何でこんなものが必要なんだろか?
一応インマニの負圧だけでもブレーキの倍力作用は十分効いている。
何かの条件の時に負圧が足りなくなるのを補うのか・・・?

確認のため分解してみた。
ポンプのベーンが砕けてる・・・
ベーンはニアネットシェイプの粉末冶金で出来てるみたいだ。この形状だと脆そうだな・・・
中に水が入った様な形跡がある。
冠水した道を走って水を吸ったか?
これじゃ壊れても仕方がないか・・・



















左が今回取った新品部品。
形状は同じだが、微妙に変更があるらしい。
交換してダイアグ消去しようとしたら、ダイアグが消えない・・・
何でだろ?・・・とよくよく考えたら電源のヒューズが飛んでるらしい。
ヒューズボックスを散々探したが、該当するヒューズがない。
散々探したらハンドルの下にヒューズが付いてるのを見つけた。
二つ15Aのヒューズが付いてるうちの一つが切れていた。
交換してダイアグを消去したら完治した。
回路図やマニュアルないとめんどくせえな~

2016年8月22日月曜日

これも消耗品?




 平成19年VWE25キャラバン。走行距離は22万km。
ベルトから音が出ている。
ファンベルト一本でオートテンションのタイプだ。
見るとベルトの張りがなく、ゆるゆる状態だった。
オートテンショナーを外してみたら、ダンパーが砕けていた・・・
まあ距離的にも仕方がないか?w
オートテンショナーとアイドラプーリーとファンベルトを交換。
プーリーもグリスが切れてるので交換するのがよかろう・・・













それと別件だがエアコンが効かなくなってた。
こっちはエアコンコントローラーのブロアースイッチが焼損していた。火事になりそうだったな・・・



 電流容量がちっと厳しいんじゃないのか?





















コントローラーは交換になるが、コネクターの部分は部品設定がなく、取るとするとワイヤーハーネスごとになる。
それだととんでもない事になるので、無理くり修理してみた。
平型端子がそのまま使えそうなので、これを使って直した。
焼けたままのコネクターよりはましだろう。

機械物だからある程度部品の劣化による故障は仕方がないが、耐久性にちっと難があったんじゃなかろうか・・・

2016年8月5日金曜日

やるだけやってみよう

L350Sのタント。平成17年の走行距離は12万㎞。
オートエアコンの風向調整が効かなくなってる。
アクチュエーターが駄目になったか?と思って外してみたら、 それにつながるシャフトが砕けてた・・・
樹脂製のシャフトはそのまま風向調整のフラップになっていて、これを交換するにはエアコンユニットを引っぺがさなければいけない。
工数だけでもえらい事になるし、そもそもフラップの部分が部品として出るのかも怪しい。
 年数や距離的にも、そんなに金掛けて直すのも何だしな・・・
しょうがないから無理くり修理してみる。やるだけやってみようw
先ずはステンレス線で補強する。
エポキシ接着剤で回りを固める。
とりあえずこれで動く様にはなった。
必要以上に風向調整をしない様にしてもらって、このまま使ってもらった方がよかろう・・・

2016年8月4日木曜日

半分死んでる?

 平成15年のHM2のバモス。走行距離は約14万㎞。
加速時にエンジン回転が3000~4000rpm辺りで息継ぎする。
ネットで見るとウエストゲートバルブが固着すると似た様な症状になるらしい。
確認してみると、ちょっと動きが硬い気がするが、手で強く押すとちゃんと動く様だ。
試しにダイアフラムの配管を外してみるが、症状は出ている。
それでもターボの辺りが気になるので、インタークーラーの配管を外してNA仕様?にしてみるが、これでも症状が出る・・・って事はターボは関係ないなw
どうも症状は失火している感じなので、イグニッションを疑ってみる。
プラグは問題なかったので、コイルをたまたま持ってたエブリィ用の中古を付けてみた。ハイテンションコードと適当なコネクターを使って無理くり配線すると使える。イグニッションのピン配置は同じだったw
しかしこれでも症状が出る。
何だろか???・・・と散々悩んだ挙句、しょうがないのでECUの入出力の信号をアナログオシロスコープで観察してみた。停車時でもアクセル吹かすと症状がたまに出るので見る事ができた。

見ていくと、どうもクランク角センサーが怪しい。症状が出る時はノイズが乗る感じで、信号が歯抜けする。

20MHzのアナログなのでしかとは分からない。ストレージオシロが欲しいところだw
とりあえずクランク角センサーを外してみようとしたら、根元からもげて取れた・・・




 HM2のバモスは4駆でエンジンが縦置きになっている。クランク角センサーはエンジンマウントのステーに刺さる様に付いている。
鋳鉄のステーは錆が酷く、クランク角センサーは外筒にひび割れができていた様だ。
内部は若干の腐食が見られる。

クランク角センサーを交換したら症状はなくなった。
通常クランク角センサーの不具合って、エンジン始動できなかったり、温まると途中でエンストするといった事が多いが、今回の様な壊れ方は珍しい。
多分チップ部品のコンデンサーが割れてるかして、ある回転数の時にノイズを拾っていたんじゃなかろうか。
そういえばホンダのダイアグの項目には「クランク角センサーノイズ」って項目があるのを思い出した。
このバモスにはないが、初代のフィットなんかでよく出てくる。
ホンダがどういった制御をしているか分からないが、クランク角センサーには場合によってノイズが乗って不具合が出やすいって事なんじゃなかろうか。
最近のクランク角センサーはクランク角だけでなく角速度も測定するから回路も複雑なんだろうな。

この修理のあとに、同じお客さんが持っていたHH5のアクティバン(平成15年11万㎞)もクランク角センサーを交換した。
こっちは加速時6000rpm付近で息継ぎしてた。大分前から症状があったが、散々調べても分からなかったのと高回転域での症状だったので、通常の使い方では問題なかろうとそのまま使ってもらってた。
結局これも同じ状態だったみたいだ。ただしこちらはエンジン横置きで、クランク角センサーはタイミングベルトカバーに突き刺さってる構造になってる。クランク角センサーの外観は全く問題なく、分解して中を確認してみたが、とくに目視では問題は見られなかった。
アクティバモス系ではクランク角センサー不具合による、加速時息継ぎのトラブルは結構多いのかもしれないな・・・

2016年7月29日金曜日

バカらしい壊れ方

平成17年ATH10Wのアルファードハイブリッド。走行距離は16万㎞ちょっと。
エアコンが効かないとの事で入庫。
エアコン入れてもガスが流れていない。コンプレッサーが動いていない様だ。
よく見るとコンプレッサーは可変容量タイプで電磁クラッチが付いていない様だ・・・が何故かプーリーは回ってるのにコンプレッサーの軸が回ってない。
調べてみたらハイブリッドであるため、エンジン停止時でもコンプレッサーを回すために、プーリー内にモーターが入ってるらしい。
モーターとエンジンの動力の切り替えは、どうやらワンウェイクラッチでやってるみたいだ。
ワンウェイクラッチが壊れて空回りしていたのだ・・・

プーリーのワンウェイクラッチを交換すればいいのだろうが、その部分の部品設定はなく、おまけにモーターが仕込まれていて簡単には分解できない構造になっている。
リビルト品を探してもらったが、この手の車種の修理ってあまりないらしく、物が見つかるのにえらく時間がかかった。

しかしなんだかバカらしい部分が壊れるもんだ。
ちょっと前にオルタネーターのワンウェイクラッチがよく壊れるってのがあったが、あれと同じ事だよな・・・
ちなみに最近のハイブリッドはコンプレッサー内にモーターが仕込まれてるらしい。
今回のタイプはプーリー内にモーターが入ってるので、オイルは従来と同じND-OIL8だが、コンプレッサー内にモーターが入ってるタイプは絶縁の問題からND-OIL11なんだそうだ。

しかしハイブリッド車って長く乗る車じゃないだな・・・

クラッチ3点?

最近はAT車が多くなってきて、クラッチの交換って少なくなってきた。
クラッチ踏むと音が出るってお客さんが持ってきた。
てっきりレリーズベアリングだと思ったら、パイロットベアリングが固着していた。
うちではたいていの場合、パイロットベアリングも交換している。
部品商に聞くとクラッチデスク、カバー、レリーズベアリングの3点はセットでよく出るが、パイロットベアリングはあまり出ないんだとか。
抜き取りと圧入で結構手間だから、交換しない所が多いんだろうか・・・?
この手のベアリングは中に封入したグリスで潤滑しているわけだが、使われ方としてはかなり厳しい条件なんだと思う。

もう一つクラッチの部品で要注意なのがレリーズレバー。
鋳鉄で出来ている様なものは問題ないが、薄い鉄板で出来ている様な物はクラッチレリーズのピストンで押される部分が摩耗している場合がある。
最悪これが突き抜けてクラッチが切れなくなる事がある。
大した値段出ない場合が多いので、摩耗が少なくても交換してしまう方がいい。

これもゴム部品

12か月点検中にたまたま気が付いた。
クランクプーリーのダンパーのゴム層にひび割れが入ってる。
まさかと思ってちょっとこじってみたら、ひび割れの部分からずれてきた・・・

 見事に剥離してたw
古くて走行距離の多い車ではたまに見る事があるが、この車はそれ程走ってる訳でもないし古くもない。
剥離面を見るとゴムの密着に問題だあった様にも見える。
たまたまはずれだったのかもしれないな・・・
しかし点検で見つけられてよかった。
このままでは後になって問題がおきるのが目に見えてる。
厳密には12か月点検の点検項目ではないが、こういった部分も見落とさない様にしなければいけないな。


ダダ漏れ・・・

平成15年のANH10Wアルファード。走行距離は12万㎞。
うちには入った事ない車だったが、パワステが効かなくなったとの事で入庫した。
数日前からパワステの効きが悪くて、ガソリンスタンドでフルードを足しながら使っていたという。
持ち上げて見てみると、戻り側の低圧ホースからダダ漏れになってるみたいだ・・・

低圧のゴムホースが劣化して穴があいたらしい。
形状的に無理があるのかもしれないな・・・

曲がりの部分が裂けている。
まあゴム部品だからしょうがないか。
車の各部に使われてるゴム部品は、昔に比べると寿命が長くなったが、駄目になる時は駄目になるもんなので注意が必要だな。
本来は定期的に交換してしまえばいいのだが、この手の部品は数が多い上に交換しにくいから困ったものだ。
点検時によく注意しないといけないな・・・

2016年5月24日火曜日

名前がなぁ・・・

 おいらの乗ってる92年式メキシコ製ビートルのタイヤは、約5年で3万7千㎞ほど使って、大分グリップが悪くなってきた。
溝もそれなりに減ったし交換する事にした。
165/80R15のサイズでコンチネンタルのCT22を使ってた。
なかなかいいタイヤで結構満足していた。
新品の時重量測っていたので使用後も測ってみたら、約1㎏軽くなっていた。4本で4㎏程のゴムが塵になってばら撒かれたって事か・・・
 次はどうしようかと思ったが、このサイズはあまり選択肢がないんだな・・・
またCT22を使うのも面白くないので、ロゴがカッコ悪いけどBSのスニーカーを使ってみる事にした。
シナ製なのかと思ったら日本製だったw
パターンは近代的で悪くないが、いかんせん「SNEAKER」ってロゴがカッコ悪い・・・
他のサイズはNEXTRYに切り替わったが、このサイズはそのまま継続して作ってるらしい。
まあ安いから使って早めに替えればいいかw
組んでて思ったのは、やけにサイドが柔らかいって事。
走ってみると、まあグリップはいいのだが横風があると結構ふらつく。
サイド剛性が低くてハンドル取られやすいみたいだ。
性能で言ったらCT22の方が断然いい。
しかし値段相応なので、細かい事を言わなければ全く問題はない。
国産タイヤでまだこのサイズが手に入るだけでも感謝だなw
次替える時はモデルチェンジしててほしいな・・・

2016年4月6日水曜日

ヘタってるのか?



平成20年のS200Pハイゼット。走行距離は8万㎞ちょい。
ATのシフトレバーがおかしくなって走れないと、お客さんから電話がきた。
見に行ってみたらシフトケーブルが切れたみたいな状態でシフトできない。
とりあえず下にもぐって、ATのインフィビターをDレンジに入れて無理くり走れる様にして引き上げてきた。
てっきりケーブルが切れているのかと思ったら、ATシフトレバー根本で、ケーブルが外れているだけだった。
 ピロボール部分はゴムの様な樹脂で出来ていて、レバー側のシャフトには小さな返りが付いていて、この部分に刺さってるだけの構造だった・・・

ピロボール部を嵌めればとりあえずは使えるが、また外れると厄介なので新品に交換した。

見たところ極端にヘタってる感じもないのだが・・・
刺さってるってだけの構造がよくないよなw

2016年2月23日火曜日

KFエンジンの中身

このところネタもないから更新してなかったが、ちょっと前にダイハツのKFエンジンをオーバーホールしたので、その事でも書いてみる。
S321Gアトレーワゴンで、走行距離は約12万km。
途中のオイル管理が悪くて、オイルを食う様になってしまった。
3000kmも走るとオイルランプが点くくらいに酷くなって、これじゃ安心して乗れないって事でオーバーホールする事になった。
この手の軽のワンボックスは仕事で使ってる人が多く、潰れるまで乗るケースが多い。中古でも程度のいいのを買おうと思うと結構な値段だったりする。
乗り換えてしまうよりは、費用は掛かるがエンジンをオーバーホールするのも手だと思う。

タイミングベルトのEFエンジンならブロックを残したままヘッドとピストンは外す事ができるが、KFだとタイミングチェーンなので面倒だがエンジンを降ろす事にした。

FR構造だし軽なのでミッションごと降ろしてもそれほど手間ではない。

ミッションも軽いので、外すのはそれ程面倒でもない。


作業をしてて気になったのが、所々に一度エンジンを一度降ろした様な形跡があった。
INマニが液状パッキンを塗って組付けてあった。
他にもパッキン類に液状パッキン塗って再組付けしてある。本来再使用不可なのに・・・
どうやらディーラーさんでカムチェーンカバーとヘッドガスケットからのオイル漏れのクレーム修理をやったらしい。

周りの部品が外れてしまうと、随分コンパクトになってしまう。さすが軽のエンジンw

排気ポート。
それなりにカーボン貯まってるだな。






吸気ポート。
バルブシール駄目になって、大分オイル吸ってるみたいだ。
大抵負圧になる吸気側の方がオイルを吸いやすい。
オイル消費が多くなるのは大抵これが原因だ。


オイルパンはぐったところ。
オイルパン外さないとカムチェーンカバー取れないんだよな・・・



ヘッドカバー剥がした。
意外とカーボンは溜まってない。
よくオイルが漏れるチェーンカバーの中は、こんな作りになってんだな。
ヘッドカバーとオイルパン剥がさないと外れない。
この部分のオイル漏れの修理は厄介だな・・・
バルブクラランス調整のシムはタペットと一体型になってる。
クリアランス調整はタペットごと交換しなければならない。
高くつくな・・・と思っていたが、1個840円だった。
この手の部品にしちゃ安いが、全部交換になると約1万円になっちまうだな・・・
燃焼室はそれなりにカーボン溜まってる。
シリンダーはそれ程摩耗してないだな。
クロスハッチもまだちゃんと残ってる。
KFエンジンはサイアミューズタイプのシリンダーで、ブロックは全部金型で出来てるみたいだな。
画の右下の細長い開口部はオイル回収口になってるらしいが、この部分からのオイル漏れのトラブルをよく見る。
8本のヘッドボルトでヘッドは留まってる訳だが、ガスケットの材質や面精度によって漏れがでるのかもしれない。位置的に面圧が掛かりにくい部分になるだよな。

ポートはバリが少なく、意外とスムースに出来てる。
スズキのF型やK型エンジンだと結構バルブガイドが摩耗してガタが出てる事あるが、このエンジンはそれ程摩耗はない様でガタもなかった。
オイル下がりでカーボン溜まってるが、フェースの異常摩耗もなく何とか使えそうだ。


オイル下がりの原因はこれ。
バルブシールは硬くなってしまって、シールの役目ができてない。
どうもKFエンジンの弱点の様で、ちょっとでもオイル交換の時期を長くしてしまうとやられてしまうらしい。
部番が変わってるみたいなので、対策品にはなってるんだろか・・・?
洗浄液に漬けてカーボン落とす。
エンジンオーバーホールでは、この作業が一番手間がかかる・・・
ピストンのカーボンは凄い事になってるだな・・・
ピストンリングはさして摩耗してないのでそのまま使いたかったが、オイルリングのカーボン落とす手間を考えたら、面倒なので交換する事にした。

ピストンとコンロッドの形状は一昔前のレーサーみたいな作りだなw

洗浄完了。
見えない部分だけど、きれいになれば気分もいいもんだw
ピストンリング溝のカーボン落としは結構な手間だ。
ピストンピンは圧入タイプで、抜いたらピストンは再使用不可らしい。




クランクリアシールの当り面は摩耗したかいな・・・
カーボン溜まってると摩耗して線が入っちゃう事あるんだよな。
ガスケットのカスを取って、ヘッドとの接触面をきれいにしておく。


バルブもきれいになった。
これのカーボン落としも結構手間だよな・・・
摺り合わせて当りの確認。
なんとか使えてよかったw
バルブが組めた・・・

ピストンセットする・・・
合体~
バルブクリアランスを調整。
タペットの厚みを測定。
何度かカムを脱着してクリアランスの調整おわった。
バルブクリアランスはカム廻りの分解組立が必要なのと、タペットの部品発注で時間が掛かるのでめんどくさいw
結局12個中10個タペットの交換が必要だった。
この部分の部品代だけでも結構掛かっただな・・・
やっとエンジン単体の組付け終わった・・・

周辺部品を組み付けて・・・

やっとこエンジン乗っかった・・・
OH後したらエンジン音がとても静かになった。
バルブクリアランス調整は手間かけてやっただけの事はある。
新車の様にとはいかなくても、これならまだ当分使えるだろう。
費用はそれなりにかかったが、中古で得体のしれない物に乗り換えるよりは遥かにいい。

後日談が一つ。
納車してしばらくして、アイドリングが高くなる事があると、お客さんが持ってきた。
しばらくうちでテストしてみたが、どうも症状が出ない。
色々聞いてみると、どうもエアコンや電気負荷が掛かってアイドルアップした時に回転が上がりすぎてたらしい。
そういえばと思いついたのはEFIの学習機能だった。
おそらくアイドルアップは、正規のアイドル回転時のISCVの開度から、何ステップか開くという様な制御をしているはずだ。
ポート内のカーボンが無くなったため、吸気量が増えたと考えられる。
前の学習値のままだと回転が上がりすぎたのかもしれない。
うちに持ってくる間に学習機能が働いて、症状が出なくなったのだろう。
OH後は念のため全負荷掛けて試験はしていたのだが、条件(水温等)が違って気が付かなかったみたいだな。
とりあえず学習値をリセットしておいた。リセットはエンジンルームにあるヒューズボックス内の「EFI」の15Aを抜いて数秒待てば出来る。
これで納車したが、その後症状は出なくなって調子よく使えてるそうだ。
しかしうっかりしてたな。OHしたときはリセットしないといけなかったな・・・